1本の糸から衣服をつくり、着るまでのプロセス全体を新たな視点でデザインしてきたA-POCを継承し、発展させていくブランドA-POC ABLE ISSEY MIYAKE。異分野や異業種との出会いから様々な「ABLE」を生み出している同ブランドが、デザイナー・狩野佑真氏と取り組んだものづくりに焦点を当てた展示「Yuma Kano」を開催します。
金属の表面に、酸素や水分などが酸化や還元などの反応を起こして腐食する現象である「錆」。ものづくりの長い歴史の中では悪者とされてきたこの錆に着目した狩野氏は、錆びた金属板から錆のみをアクリル樹脂に転写する作品「Rust Harvest｜錆の収穫」を生み出しました。
A-POC ABLE ISSEY MIYAKEは、この作品からインスピレーションを受けたジーンズをデザイン。展示会場では錆を織りで表現したものづくりの背景を、生地や狩野氏との制作プロセスを収めた映像、実際に"収穫"した錆をアクリル樹脂に転写した作品と共に紹介します。
誰もが見過ごしてしまう錆の模様は、実は様々な色彩が複雑に混ざり合い、とても美しい模様を作り上げています。その模様が、エイジング(経年変化)を楽しむジーンズと織りなされるとき、そこにたゆたう自然現象の豊かな時間軸が浮き彫りになっていきます。